バグダッド日誌 (2006年2月27日)
バグダッド 日 誌 ( 2月27日 )
O日本人 ? イラクに ?
一人で食事をしていると 、 時々向かいに座った人が話しかけてくる 。 その多くが 、 沖縄 、 横田あるいは座間等で勤務 したことのある人で 、 日本で過ごしていた頃のことをよく話してくれる 。 また 、 子供が交換留学で現在日本にいる人だと か 、 一番好きな映画は 「 ラストサムライ 」 だという人だとか 、 本当に日本のことをよく言ってくれる人ばかりで有り難い 。 ( 最も 、 そうでない人は話しかけてくることさえしないだろうが … 。 )
ある日のこと 、 やはり一人で食事をしていたら 、 「 こんにちは 」 と日本語で話しかけてくる人がいた 。 「 こんにちは 。 日 本語が上手ですね 。 」 と答えると奥様が沖縄出身の日本人だという 。 沖縄に数年勤務して 、 多少の日本語は話せるが 、 挨拶程度だと謙遜する 。 彼は 、 空軍の予備中尉で 、 ここバグダッドには陸軍の建設技師のシビリアンとして勤務してい るという 。 キャンプヴィクトリー以外にも 、 バグダッド市内での建設工事やバグダッド以外のキャンプなどでの工事の監 督等 、 様々な建設現場で活躍しているそうだ 。 現在は 、 我々の事務所のすぐ近くのメイン通りの舗装工事を担当して おり 、 現地のイラク人を雇用して監督に当たっている 。 その工事は 、 日本の施設科部隊が実施すれば1週間もあれば 終わってしまいそうなものが 、 我々が来て1ヶ月 、 いまだに完成していない 。 彼に聞くと 、 器材の老朽化や粗悪な舗装 材料が原因で 、 二度手間三度手間になっているのだそうだ 。 現地人を雇用するのは難しいかと聞いてみると 、 「 簡単 だよ 。 彼等が言ったことの三倍を見積もればいいんだから 。 」 と 、 おおらかな返事が返ってきた 。 現在工事中のジムも 2 ~ 3ヶ月後には再着工するらしい 。 ということは 、 半年から1年後に再着工すると考えて良いだろう 。 ある日 、 その予備中尉が沖縄の 「 ちんすこう 」 を持って我々の事務所を訪ねて来た 。 それは 、 彼がバグダッドにいる 間 、 沖縄に帰国している奥様が送ってくれたものだ 。 バグダッドで 「 ちんすこう 」 を 、 それも米軍人からもらうというのも 、 不思議な気がする 。 世界は広そうで狭い 。 彼は約1ヶ月後に任務を終え 、 まず沖縄の奥様の実家でしばらくの休暇を
過ごした後 、 アメリカへ帰国する予定だそうだ 。 残された1ヶ月で 、 2 ・ 3件残っているプロジェクトを終えなければならな いらしい 。 帰るまでに 、 雨が降ると泥溶化する道路を何とかしてくれるよう要望すると 、 「 あのジムが終わったら着手す るかもしれないね 。 」 と言った 。 多分 、 そこは泥濘化のままだろう 。
その彼が 、 我々と写真を撮った 。 「 これを妻に証拠として見せる 。 」 と言う 。 何の証拠なのかと聞くと 、 彼曰く 、 「 ワイフ は 、 日本人がイラクにいるということを全く信じていないんだ 。 俺が 、 何度も見たと言っているのに 、 全く信じてくれない 。 今回 、 君たちと話ができて 、 写真を撮れたのは本当に良い機会だった 。 これで信じてくれるだろう 。 」 と嬉しそうに話し た 。 これで 、 奥様に 、 日本人がイラクにいるという事実を確証させるという 、 彼の最大のプロジェクトが達成できるわけ だ 。 我々も 、 安全に日本に帰るというプロジェクト達成まで 、 残り … 。
バスラLO日々業務報告 ( 2月27日1900 )
「 区分
バスラ空港
1 警戒態勢
( 警戒態勢 ) :
( 1 )
2 特記事項
3 本日の業務
( 1 ) 情報要求対応
SSR ( ISFの戦力化の状況 ) 、 MND ( SE ) の将来計画 、 ED及びIDF関連情報 、 デモ関連情報等 ( 2 ) 定例情報収集 : ( 3 ) 定例会議への出席 : 司令部朝会議 ・ タ会議 、 J2 ・ J3 ・ J9認識統一会議 ( 4 ) 指揮官会議等調整
4 明日の予定
( 1 ) 情報要求対応 、 定例情報収集 ( 2 ) 定例会議 ( 3 ) 指揮官会議 、 空路輸送等調整
5 その他 ( 備考 )