バグダッド日誌 (2006年7月3日)

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バグダッド 日 誌 ( 7月3日 )

○多国籍師団担任国の思惑

イラクにおいて多国籍師団を担任しているのは米 ( 3コ師団 ) 、 英 、 韓 、 ポーランドの4カ国である 。 この4カ国の思惑 を 「 指揮 」 「 国益 」 「 脅威 」 の3つの観点で個人的に見ている 。 先ず 「 指揮 」 の面で考えると米 ・ 英 ・ ポーランドは担当師団内で 「 Multi - lateral Command 」 で師団地域に自国以外の 部隊を率いているが 、 韓国のみ 「 Uni - lateral Command 」 で担当地域には韓国軍しかいない 。 このため韓国は 、 担 任地域の広さの割に多くの人員を派遣しなければならないが 、 反面多国間の調整の煩わしさを回避しているとも言 える 。 またポーランドのようにMultiの能力を持つことにより 、 派遣規模を縮小している面もある 。 イタリアは現時点で ポーランド以上に人員を派遣しているにも拘わらず 、 英軍の指揮下に入り 、 師団担当を回避 ? している 。 「 国益 」 の観点では米が 「 北部のキルクーク油田 」 ・ 英が 「 南部のバスラ油田 」 を押さえ 、 権益確保の思惑が伺える 。

ポーランド 、 韓国は 、 右油ではなく国際社会に対する 「 貢献 」 という形で国益を確保しているように感じる 。 「 脅威 」 の観点では 、 スンニ ・ トライアングル等の最も危険な地域を米国が担当し 、 英国もスンニ ・ トライアングルほどで

はないが脅威の高い 「 バスラ 」 地区で脅威を負い 、 米軍に次ぐ犠牲を払っている 。 この観点では韓国軍は安全を第 ・ 一に考えた地域を担任し 、 師団を担当しながら未だ一人の怪我人もだしておらず 、 また任務で一発の射撃もしていな いそうだ 。 ポーランドは 、 石油等の出ない地域であるが 、 脅威のある地域の担当であり割に合わない地域である 。

総括した私の見立ては 、 「 米 」 は高い指揮能力をもち 、 リスクを背負って犠牲を覚悟しながら唯一の超大国としての責任を全うしている 。 その中 「 でも石油等の権益をきっちり押さえている 。 「 英 」 は 、 卓越した指揮能力を発揮して 、 したたかに 「 石油 」 の権益を確保している 。 権益に付随する脅威 ・ 犠牲もアリ カに比して非常に小さく抑えている 。 ・ 「 韓 」 は 、 安全を第一に高い動員能力をもって貢献し 、 国際社会における地位向上を図っている 。 「 ポーランド 」 は高い指揮能力を活用して 、 数的にすくない人的負担であるが犠牲のリスクを負い 、 世界の中でのポー ランドの地位向上を図っている 。 イラク ・ オペレーションに参加しているコアリションの中で師団を担当する主要4カ国を見たが 、 コアリションは 「 有志連

合 」 といわれる文書協定のない 、 各国の 「 志 」 により作戦に参加しており 、 現在参加しているコアリション29カ国が自 「 国の特性に応じて 、 進んで貢献できることを提供してこの作戦にあたっている 。

バスラLO日々業務報告 ( 7月3日1900 )

区分

パスラ空港

1 警戒態勢

( 警戒態勢 ) . : .

2 特記事項

la 本日の業務

( 1 ) 情報要求対応 | SSR ( IsFの戦力化の状況 ) 、 MND ( SE ) の将来計画 、 IED及びIDF関連情報 、 デモ関連情報等 ( 2 ) 定例情報収集 : ( 3 ) 定例会議への出席 : 司令部朝 ・ 夕会議 、 J2 ・ J3 ・ J9認識統一会議 ( 4 ) 航空輸送調整 、 師団長表彰調整 、 英軍回線撤収調整等

さま | S68

4 明日の予定

( 1 ) 情報要求対応 、 定例情報収集 ( 2 ) 定例会議出席

航空輸送調整等

5 その他 ( 備考 )