バグダッド日誌 (2006年3月13日)

Responsive image

バグダッド 日 誌 ( 3月13日 )

○一言

今朝 、 群長から電話があり 、 富士学校長サマーワ視察の際のヘリ調整について労いのお言葉を頂いた 。 バグダッドからサマーワは地理的距離以上に遠い 。 定期的な輸送手段はなく 、 多国籍軍司令部からの高官がサマーワ 訪問に同行する以外にサマーワを訪れる機会はない 。 心はいつも 「 サマーワのため 」 と思っていても電話でサマーワ担当と調整していると 、 時には群長 ・ 隊長の意図を分かり かね 「 何故 ? 」 ということもある 。 それでも多忙を極めるサマーワ担当に比べればと 、 多国籍軍司令部の担当を探しあて 、 日本人のようにはいかない大雑把な相手にしつこく調整して 、 サマーワの期待に添えるよう努力している 。

そのような我々の気持ちを見透かしたかのようなタイミングで群長 ・ 業務支援隊長から激励の言葉を頂いている 。 ほん の5分程度 、 なんでもない 「 一言 」 が我々を勇気づけ 、 新たな活力をもらっている 。

今週末には多国籍軍司令部で2ヶ月に1回実施される各国代表者会議が実施される 。 この会議に1年ぶりにサマーワ から群長が参加されるということで連絡斑一致団結して準備していた 。 しかしながら 、 バグダッドーサマーワ間の輸送ス ケジュールが悪く今回は難しそうである 。 群長の是非のお越しをお待ちしています 。

O Twinkle twinkle little star

ここバグダッドも 、 サマワに負けず星が美しい 。 東京で見るより星の数が遥かに多いし 、 空気が澄んでいる分 、 またたき も違って見える 。 「 が星座について色々教えてくれる 。 冬の星座と夏の星座が一晩で見える 、 とか 、 冬の大三角 形 、 とか 、 身体を鍛えるだけでなく 、 そのようなセンシティブな面もある には脱帽の限りである 。 東京では無駄だ と思って見なかった夜の空も 、 バグダッドに来てから一晩に1回は必ず空を見上げる習慣がついた 。 北極星 、 オリオン座 、 カシオペア座 、 北斗七星等々 、 あまり星に詳しくない私でも知っている数々の星座が 、 遥か数万 ・ 数十万年光年の彼方 から 、 その光を世界各国平等に降り注いでいる 。 しかし東京は 、 その光を無惨にも遮っている 。 歌舞伎町 、 渋谷 、 池袋 、 銀座等 、 一晩中光り輝いているネオンを少し消すだけで 、 星に加えて省エネというダブルの効果が期待できるはずなの だが … 。 「 奥様 、 愛しております 。 留守を任せて申し訳ありません 。 この空の下なら 、 普段言えない言葉も素直に言えるような 気がする 。 東京を代表する日本各地の都市も 、 このような言葉を素直に言えるような空を取り戻していただきたいもので ある 。