バグダッド日誌 (2006年6月3日)

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「 バグダッド 日 誌 ( 6月3日 )

○炎天下の停電

昨日 、 今日と真昼間に小一時間停電となった 。 日本隊コンテナの室温は一気に上がり息苦しささえ感じられた 。 50℃を超える気温に加え 、 直射日光に熱せられた鋼鉄製コンテナは目玉焼きができるのではないかと思えるほど 熱くなっている 。 また鋼鉄製扉の取っ手を掴む時は注意しないと火傷してしまうほどに熱い 。 「 停電の中 、 発電機により電灯と衛星電話の電力だけでも確保しようかとも考えたが 、 暑さのため 、 とても作業する気 になれなかった 。 日本隊の隣のコンテナで事務をしている米軍人達はパレス ( 多国籍軍司令部 ) にも事務室があるよ うで 、 あきらめ顔でパレスの方へ涼みに行ったようだ 。 バグダッド市内の通電状況は日常的に厳しく 、 朝の指揮官報告 ( BUA ) では長い時で1日8時間 、 短い時は1日2時 間の通電しか確保されていないと報告している 。 もっとも停電が常態となっているため 、 各家ごと発電機を備え付けて いるそうだが 、 発電機の燃料を十分に確保できる家庭は少ないそうである 。

我々であれば食堂に行けば不自由なく食事ができるが 、 バグダッド市民は冷蔵庫に食料を保管するのも難しく 、 大 変な苦労を強いられていることは想像に難くない 。 たった1時間程度の停電であったが 、 うだるように暑いコンテナの中 、 バグダッド市民の苦労と一日も早い復興を祈 る気持ちの一端を感じている 。