バグダッド日誌 (2006年6月24日)

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「 バグダッド 日 誌 ( 6月23日 ) |

○ 陸自の活動に感謝するバグダッド ・ モスキートの声

昨日 、 インターナショナルゾーンで 、 多国籍軍情報部が定期的に 「 街の噂 」 を収集するモスキート ・ ミーティングに参 加した 。 本ミーティング 、 モスキート編集室の引越し作業があったためしばらく中断しており 、 今回が久しぶりの再開と なっていた 。 「 ミーティングが始まると 、 いつものようにシーア 、 スンニ 、 クルド等様々な “ モスキート ” たちが街でささやかれている噂 を順に報告 、 その後は 、 特定のテーマについての意見収集へと移った 。 今回のテーマは 、 先週米軍3名が犠牲となっ た襲撃事件 、 ザルカウイの後継者関連 、 街の治安状況等であった 。 これらに関する活発な意見を聞いていると 、 このと ころ撤収関連でなんとなく区切りのようなものを感じていた私には 、 変わることのないバグダッドの厳しい現状を再認識 させられることとなった 。 「 さて 、 ミーティングの最後に多国籍軍参会者からの質問時間となった 。 そこで私の方から 、 多少場違いかと思ったが 「 治安権限委譲に伴い陸上自衛隊が撤収するが 、 2年半に及ぶ活動の評価について聞きたい 」 とストレートに投げかけ た 。 すると 、 これまで3時間に亘るミーティングで多少疲れ気味であった彼らが 、 堰を切ったように一斉に大声で意見を 述べ始めた 。 その勢いは大変なもので 、 一斉に話すことから何やら聞き取れない 。 チーフもたまらず “ 1人ずつにしてく れ ! ” と叫ぶほどである 。 よく聞くと 「 日本は良くやってくれている 」 「 莫大な資金を投じて大きな発電所を作ってくれたと 聞いている 」 「 戦争に来たのではなく 、 技術者が沢山来てくれていると聞いている 」 等々 。 そして全員がロ々に陸自の活 動に感謝の言葉を述べている 。 ようやく 、 場が落ち着いたところで 、 1人の女性が締めくくるように 「 私達は本当に深く感 謝しています 。 イラクの国民は全員 、 日本人が大好きです 」 と意見を述べてくれた 。 私は 、 イラクの各層の人々全員から ポジティブな意見を 、 直接聴くことができ 、 胸を熱くするとともに 、 サマーワから遠く離れたバグダッドの片隅で 、 これま で一隅を照らす思いで勤務してきたことが報われた気がした 。 「 ミーティングが終了し 、 帰路につく彼らを見送っていると 、 一人の男性が 「 日本にはもっともっと長くいてほしい 」 と声を かけてきた 。 「 陸自による活動は終了するが 、 日本はこれからも引き続き様々な支援を行っていく 」 と伝えると 、 とても喜 んでくれていた 。 こうして 、 モスキートたちは再び自分達の街へと帰っていった 。 今頃 、 バグダッドの街角では 「 日本は 引き続き支援してくれるそうだ 」 との噂が 、 モスキート達の口から口へと噂されていることと思う 。