バスラ日誌 (2006年4月19日)

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バスラ日誌 ( 4月19日 )

1 一昨日の朝会議では 、 また日経新聞系のメディア情報で日本隊の撤収が秋以降になると日本政府が決定 したというような情報が紹介された 。 今回は 、 会議前にPOLADが来て 、 このような報道があるがどう 思うかと聞きにきたので 、 そのような決定は 、 されていないということを説明しておいた 。 この件につい ては 、 これまでにもいろいろな報道がなされ 、 師団の関心事でもあるため誤解を招かぬよう説明もしてき た 。 今回は 、 POLADの報告にもその趣旨が盛り込まれ 、 この間のような反応はなく 、 冷静に受け止め ていたようである 。 昨日は 、 共同系の情報で 、 比較的正確と思われる解説記事がでていたので 、 今のとこ ろ師団は 、 日本に関する正しい情勢認識を持っていると思っていただいて結構であると思う 。

昔 、 言論が抑圧された時代に 、 言論の自由を守るために命をかけた人達は尊数に値するし 、 今の時代に も真実を伝えるために命を懸けている人がたくさんいるだろう 。 しかし 、 厚く保護された言論の自由を盾 に 、 巨大なパワーとなったメディアの力を振りかざすジャーナリストの横行にも閉口する 。 今年に入って からのイラク情勢の悪化は 、 少なからずメディアの責任もあるのではないかと感じている 。 メディアの力 は恐ろしい 。 そう考えると 、 我が国から発信されるメディア情報などは 、 可愛い方かもしれない 。

本日この報告が届く頃には 、 バスラを出て移動を完了している頃であると思う 。 27日まで 、 約1週間 不在にする 。

がR & Rで不在間 、 私が先任連絡官の代行を務めるわけだが 、 早速今朝の司令部朝会議に出席 した 。 この朝会議でも日本隊の撤収話がJ2から報告され 、 「 日本政府は部隊交代のため 、 新しい部隊を 派遣することを決め 、 撤収は延期される 。 」 という内容であった 。

が毎回説明されているように 、 私も 「 政府からの正式な決定は 、 依然ありません 。 」 という旨を発言した 。 師団長以下主要幕僚の方々は 納得されているように見えた 。 我々軍人には何の決定権もなく 、 政治が決めたことを淡々とやるだけであ るが 、 そのプロセスの紆余曲折に我々軍人は翻弄されっぱなしである 。 その点については 、 各国軍人とも

同じ状況に置かれており 、 それに対する気持ちは軍人間で共有できていると感じている 。 3 本日快晴 。 バスラ3名 、 極めて健康 。